ほおじろの声

ほおじろ巻頭言 2022年7月号

野の鳥は野に 繁殖時期の探鳥

日本野鳥の会千葉県・幹事会

野生の鳥は人が近づくと逃げる

日本野鳥の会は,「野の鳥は野に」を標語に,自然と親しむ活動をしていますが、野の鳥は人が近づくと逃げます。鳥は人に近づかれるのが嫌なのです。 「野の鳥は野に」は,飼い鳥をやめ,鳥は野で見ようというものでした。

繁殖期の鳥は逃げられない

初夏,野の鳥は繁殖活動のさなかで,命をつなぎ世代を重ねていくのです。そのために,親鳥は,身の危険があっても繁殖活動を続けます。繁殖期の鳥は逃げられないのです。 逆に,巣の近くに行けば確実に鳥を見られ,撮影もできるので,巣の前に陣取る人が多数見られます。

人が多数集まると鳥のストレスが高まる

たまたま営巣行動を見つけた人が,1人でそっと見る程度なら,鳥も警戒しないかもしれませんが,多数の人が終日集まり,大きな声を出して歩き回ったりすると,鳥のストレスが高まります。

ネット拡散の悲劇

SNS 時代,誰でも,自由に情報拡散ができます。鉄道写真を撮るようなノリで,野鳥写真を撮る人が増え,結果的に鳥をいじめる行為をしています。 とりわけ,姿の美しいサンコウチョウや,タカ類,フクロウ類の繁殖地に多くの人が集まる傾向があり,繁殖活動が阻害され,次の年に繁殖しなくなるという事態が各地で続いています。 現場には,会員より非会員の数が多いかもしれません。悪意でなくても,鳥の生活を乱し,結果として,彼らの世代交代を妨害する。この事実を,現場で訴えることは難しいでしょうが,鳥には命があるという認識を広める必要があります。

慎みのある探鳥行動を広めていこう

日本野鳥の会は,人と野生の共存を心掛けています。 不特定多数がネット情報で繁殖地に集まり,結果的に,野生の危機につながるという状況に警鐘を鳴らす必要がありそうです。

鳥を見るからこそ鳥をいじめない

野鳥の会は,その原点に立ちたいと思います。皆さんの力をお貸しくださるようお願いします。