ほおじろの声

ほおじろ巻頭言 2022年9月号

シギ・チドリ類を見るなら今のうちに

日本野鳥の会千葉県・幹事会

今月号はシギ・チドリ類特集です

 コチドリ,シロチドリ,イソシギは,千葉県内で繁殖する留鳥ですが,多くのシギ・チドリ類は, 春秋に日本を通過する旅鳥か,ダイゼン,タゲリ,ハマシギ,ミユビシギなど県内で越冬する冬鳥です。
 千葉県は,東西南北を,太平洋,東京湾,江戸川,利根川に囲まれ,手賀沼,印旛沼など内水面も多く, 日本で記録のあるシギ・チドリ類の大半が見られました。

シギ・チドリ類は,種数も個体数も減っています

 しかし,地球規模の環境変化,千葉県内の生息環境の減少,ネオニコチノイド系農薬や除草剤撒布など, 多様な原因が総合的に影響しあい,飛来する種数が減少し,見られる個体数も減っています。
 とりわけ,ムナグロ,ツルシギ,タカブシギ,ヒバリシギなど水田地帯を利用する淡水性の種の減少が顕著で, ミツバチの帰巣能力を阻害した農薬の影響が疑われています。 2209

ミユビシギの減少率が低いのは,水田を利用しないからかもしれない

シギ・チドリ類の見られない時代が遠からず来るのではないか?

 ここ数十年の動向を見て,10 年後,20 年後,どれだけのシギ・チドリ類が見られなくなるのか?危機感を覚えます。
 シギ・チドリ類の世界にお誘いします。シギ・チドリ類を見るなら今のうちです。