ほおじろの声
ほおじろ巻頭言 2023年4月号江戸川河川敷の生態系保全の取り組みから
松戸フラワーフェスティバルの参加に
日本野鳥の会千葉県・幹事会
本会の江戸川探鳥会の開かれる,江戸川河川敷では,毎年,繁殖時期に草刈が行われ,繁殖活動に影響を与えてきました。
探鳥会担当の鈴木美智代幹事が,繁殖時期を外すように行政に交渉しても,聞き入れられずに来ましたが,鈴木幹事を取り巻く人的ネットワークの努力の結果,
草刈が繁殖時期から外され,松戸市の開くフラワーフェスティバルへの参加を求められることになりました。以下,そのプロセスを,鈴木幹事が紹介します。
松戸フラワーフェスティバルへの軌跡
5 月の江戸川探鳥会がくるたび草刈後の潰れた卵やヒナを失った親鳥の姿を目にし,気が滅入った。
どうにかしたい気持ちで行政にメールを入れたが返ってきたのは,国交省も市の河川清流課も「梅雨前の安全点検の為の草刈りなのでご理解ください」との事務的なもの。
異常気象で繰り返される洪水に妥協せざるを得なかったが,何か腑に落ちずSNSに投稿すると「営巣中の巣の撤去は法に触れる可能性があることを伝えてみては」
との有用なコメントが寄せられた。タイミングよくふれあい松戸川の創設者であるT 氏が河川事務所と市も参加するフォーラムでこの件を発言,草刈時期を5月初めから
末へと変更してもらえた。
徐々に数を回復させたヒバリ,セッカ,キジたちを見て手応えを感じる。これを機に河川敷での困りごとを積極的に市へ相談,面識を得ることができた。
長い間手付かずだったふれあい松戸川の保全について伺いたいと,暮れに市から突然の打診。私だけでは心許なく,市の環境調査員をしている友人や,
保護・保全に携わっているリトルターン・プロジェクトのM氏にも立ち会ってもらうことに。市の職員の他,河川敷の木を取り払いたい国交省職員,
葦原全ての刈り取りを要望する市民代表,草刈の件でお世話になったT氏が集まり,始めから白熱した議論が繰り広げられ、
T氏,M氏,環境調査員の友人も一丸となり生態系の重要性を訴え,市の理解を得ることができた。具体的な保全案をM氏が提示,すぐに市が計画,実行。
蘇ったふれあい松戸川では,集まっていた猛禽たちは散らばり,嘗てのように小鳥たちが戻り楽しめる場所となった。今回,自然に詳しい市職員の尽力も大きく有難かった。
更に嬉しいことにフラワーフェスティバルへの出展の呼びかけを頂き,会としての初参加が決定。5 月13 日是非ご来訪を!
松戸フラワーフェスティバルにお出かけください
松戸市主催のフラワーフェスティバルに出展します。鳥見がてら,お出かけください。
パネル展示,塗り絵コーナーなどがあります。
期日:5月13日(土) 10時~14時
(雨天中止)※少雨決行
会場:江戸川松戸フラワーライン
(松戸市古ヶ崎地先 上葛飾橋下)
駐車場・駐輪場あり/地像前バス停から徒歩10分