ほおじろの声

ほおじろ巻頭言 2023年7月号

千葉県内で起こっていること

日本野鳥の会千葉県・幹事会

ゴルフ場開発から太陽光発電の建設に

 衛星地図を見ると,県内各地の環境破壊がはっきりと見てとれます。
 千葉県は全国で最も多くのゴルフ場が建設され,豊かな森が破壊されました。 虫食い状に,多数のゴルフ場が作られています。

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画像:Google Earth Pro

いっせんぼくの水源の森にソーラーパネル

 冬場にいっせんぼくの探鳥会が開かれます。豊かな湧き水,流れに沿う湿地環境が見どころ ですが,谷の周囲一面にメガソーラーが作られました。水枯れが危惧されます。

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画像:Google Earth Pro

南房総市で会員制サーキット建設

 富浦町居倉の里山環境を破壊し,会員制サーキットが建設され,7 月開業だと言います。

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画像:Google Earth Pro

千葉市緑区にキツネ

 1988年以来初めてキツネの生息が確認された谷地田で,製造・流通団地の造成計画が 進行中だという報道がありました。

コアジサシを虐める人々 倫理観が必要

 バードウオッチングも野鳥撮影も,じつは野生の鳥の生活を覗きこみ,撮影する行為で, 被写体の鳥は常に被害者です。
 近年,県内のコアジサシの集団繁殖地は限られたものになってしまいましたが, 産卵,抱卵,育雛と,繁殖ステージが上がるとともに,多数のカメラマンが集まり, 結果的に繁殖妨害をすることになります。巣の前に長い時間人が立てば,親鳥は巣に近づけず, 卵を抱くことができません。卵の中の命が失われ,繁殖率の低下を招きます。
 本会の会員だけでなく,多数の非会員カメラマンや一般の人にも,鳥を虐めないような 倫理観の普及ができないものでしょうか。

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