ほおじろの声

ほおじろ巻頭言 2023年11月号

気候変動がもたらす生物生息状況の変化
日々の記録をとり続けよう

日本野鳥の会千葉県・幹事会

異常に暑い夏 皆さんお元気ですか?

 2023 年の夏は,人類が経験したことのない暑い夏であったと言われます。ヒトは変温動物ですが,1 日の平均気温が1 度,2 度,3度と上がると, こんなにも耐え難いことになるのか。多くの方が,それを実感なさったことでしょう。
 暑くてつらいだけでなく,気候温暖化は異常気象をもたらし,世界各地で,豪雨,洪水,突風などの被害が,ヒトの生活環境に多大な影響を与えました。

南方系の魚が北上 生物分布の変化

 温暖化,海水温の上昇の結果,南方系の魚,サバ,ブリなどが北海道まで北上し,逆にサケが母川を遡上する数が減っていると言います。 これは,温暖化が野生生物の分布に与える影響だと理解すべき事例です。 海は1つですから,魚類は北上しますが,陸生生物は移動できず,絶滅に至る種が出ることが危惧されます。

鳥には翼があるが・・・

 鳥には翼があり,大規模な移動ができます。
 渡り鳥は繁殖地,越冬地を移動し,1 年の温度変化に適応していますが, 気候変動により餌資源の枯渇が起これば,生息状況が大幅に変わることでしょう。

身の周りの鳥の記録をとり続けよう

 街中を群れなして渡って行くヒヨドリの群れを,皆さんご覧になりましたか? 少し前まで,どこでも見られたヒヨドリの群れを見る機会が減りました。
 普通種も,希少種も,等しく減っている時代,その動向をきちんと記録することは, 野鳥の会の責務ではないでしょうか?