ほおじろの声
ほおじろ巻頭言 2024年3月号国連発表
季節移動する生物の2割に絶滅の危機
日本野鳥の会千葉県・幹事会
渡りをする野生生物が減っています
千葉県で見られる普通種の渡り鳥が激減しています。東京湾のスズガモ, 各地の湿地で見られるカモ類(印旛沼のトモエガモだけは増えています), 銚子漁港のカモメ類,ラムサールサイト谷津干潟の渡り鳥,里山のアカハラ,アオジなどの小鳥類など,あらゆる場所で渡り鳥の姿が少なくなり,先行きが不安になります。
国連が移動性動物に関する報告書を発表
こうした状況は,地球上あらゆる場所で起こっており,2 月12 日,国連は移動性動物の
2 割に絶滅の危機があるといいます。
人間の活動の影響で,温暖化による生息環境の変化,開発行為による生息活況の破壊が原因だといいます。
野生鳥類だけでなく,ゾウ,ホッキョクグマ,ヒョウなど,多くの哺乳類も危機的状況にあると言います。
SDGsと言うが・・・
危機感は各国政府にも共有され,温暖化の速度を抑制するために,SDGsが必要だという世論形成が進み, 化石エネルギーから自然エネルギーへの変換がドラスティックに進んでいますが,ヒトという欲深い生物が 経済活動を抑制することはなく,地球という星に住む生物全体の未来は見通せません。
鳥を見る者に何ができるのか?
私たちは,野生鳥類の生活を見せてもらい,小鳥の可愛さや多数の鳥が群れ動く姿に驚愕し,心に豊かさを与えられています。
絶滅の危機にある野生生物に何ができるのか? 決定的な効果のある行動は見つけにくそうですが,少しでも絶滅の速度を
遅らせることができないものでしょうか?
鳥との日々の出逢いを記録し、周囲に訴えよう
私たちは,鳥を見て感動し,その楽しさを周囲の人に訴え,同じ考えの仲間を増やそうとしてきました。
それが,日本野鳥の会の活動の歴史ですが,国連が「季節移動する生物の2 割に絶滅の危機」を訴える時代,
私たちの身の回りでも,絶滅に向かう事実があることを,データを示して訴えていきましょう。