ほおじろの声

ほおじろ巻頭言 2024年5月号

コアジサシコロニーの繁殖情報をお寄せください

日本野鳥の会千葉県・幹事会

 コアジサシは,日本に夏鳥とし,渡来し海岸や河川敷で集団繁殖します。しかし,最近はその生息地が激減し,環境省の絶滅危惧種Ⅱ類に, また千葉県レッドデーターブックでも最重要保護生物Aランクに指定されています。
 かつて,東京湾沿いの埋立地,九十九里浜添いの海岸,利根川河川敷などに,10 か所以上のコロニーがありましたが, 最近は毎年コロニーの移動が多く,安定して繁殖している状況ではありません。

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餌渡しをするコアジサシ

 コアジサシが毎年コロニーを移動せざるを得ない背景には,天敵(カラス等)の捕食問題もありますが, 人的影響に起因していることは確かです。
 当会は,これまで保護対策が打たれていないコロニーに関しては,行政に報告し,ロープ囲いや立て看板設置を要請してきました。
 近年,物流施設の造成地や,商業施設の駐車場での繁殖がありましたが,翌年には環境が変わり,コロニーができない状況です。
 コアジサシは,5 月に入ると,コロニーを形成する時期になります。本会としても最新の状況を把握するため, 皆様からの下記宛て情報提供を宜しくお願いいたします。

1.保護委員会 小島久佳
 メール:hisakoji004273atmarkgmail.com
2.電話の場合 047−431−3511
 本会事務所=毎週土曜14 時~17 時

谷津干潟周辺の高潮対策に関して

 千葉県では,東京湾奥部の高潮対策として,高瀬川,谷津川,菊田川の河口部に水門と排水機場を作る計画があり,環境省の意見も受けた上で, 3 月22 日に,自然保護団体に意見聴取の会を開きました。
 本会からは,谷津干潟探鳥会関係幹事が出席し,建設過程や運用段階で水流を阻害し干潟の環境を劣化させないように注意することなど, 野生生物の生息環境に影響を及ぼさないように,要請しました。

「きさらづ地域循環共生圏」に向けて

 木更津市は,「きさらづ地域循環共生圏」を作り上げたいとして,本会に参画要請があり, 小櫃川探鳥会関係幹事が「里海の活用」ワーキングに参加しています。
 また,小櫃川探鳥会幹事グループが,木更津市関係者に現場レクチャーを予定しています。
 今後は,「盤洲干潟エリアの保全・活用」に本会の姿勢を反映させ,千葉県の「自然環境保全地域の特別地域」 に指定するよう働きかけていきます。