ほおじろの声

ほおじろ巻頭言 2024年8月号

地球温暖化の影響
ウミネコの幼鳥の飛来が2週間も早まっている

日本野鳥の会千葉県・幹事会

6月27日、複数地点でウミネコの幼鳥が記録された

 千葉県の海岸にウミネコの幼鳥が姿を見せるのは,例年7 月10 日ごろ。銚子漁港で初めて確認され,しばらく時間をおいて他の海域で見られるが, この夏は,6 月27 日に県内各地で見られ,その後,個体数を増やしている。
 地球温暖化の影響でウミネコの繁殖時期が2 週間も早まったのではないかと推測される。
 『ウミネコ観察記』(成田喜一・成田章,木村書店,八戸,2004)によれば,ウミネコが蕪島に飛来するのは3 月上旬で,産卵は4 月下旬が最盛期で, 25 日間の抱卵を経て孵化し,育雛55 日後に,早いものは6 月下旬に巣立つという。

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6月27日 館山湾に現れたウミネコ幼鳥

 東北地方の繁殖地は,蕪島以南に岩手県椿島があり,毎年7 月10 日ごろに現れる幼鳥がどこから来るか分からないが, 蕪島と椿島で孵化の時期の大きな差はないと思われる。
 ともあれ,例年より2 週間も早く飛来したというのは大きな変化であり,地球温暖化の影響があるのではないか?と推察されます。
 今後,他の種でも同様の現象が見られるかもしれず,皆さんの観察をお願いします。

館山市のサギ類・カワウの集団営巣地に関して,館山市長にお願いの文書を出しました

 館山市富士見の鷹の島公園周辺で,サギ類及びカワウが集団営巣しており,本会では,繁殖状況を調査し,動向を見守っています。
 卵が孵化し,雛が親から給餌を受ける段階になると,声と臭気に対する苦情が市に寄せられ,市が有害鳥獣捕獲に向かうことが危惧されます。
 1980年,館山市城山にあったサギ類1万羽のコロニーで,1000 羽を越す親鳥が有害鳥獣駆除で射殺され,多くの雛と卵が命を失いました。 そのような事態にならぬよう,7 月4日,本会は館山市の森正一市長にお願いの文書を提出しました。

JBF2024に作品をお寄せ下さい

 ジャパンバードフェスティバルJBF2024は、11月2日・3日、我孫子市で開催されます。
 本会では、例年通り、「鳥と人と地球の2024年」と題し、会員の皆様の作品を中心に構成します。野鳥に関する作品をお寄せください。 写真(営巣地周辺の写真、ストロボ使用は不可)。絵画、版画、文学作品などをお寄せください。サイズはA3までで、電子ファイルでお預かりし、本会でプリントします。

 応募締め切日=9月4日、作品納入締切日=9月25日
 応募先=jbf2024atmarkchibawbsj.com
 なお、JBF終了後、本会HPに掲載したり、別イベントで展示させていただくことがあります。