ほおじろの声

ほおじろ巻頭言 2025年9月号

秋の青空を見上げてタカを見よう

日本野鳥の会千葉県・幹事会

千葉県で繁殖する猛禽類

 千葉県内では,タカ目のハチクマ,ツミ,オオタカ,チュウヒ,トビ,サシバ,ノスリ,ハヤブサ目のチョウゲンボウの繁殖記録があります。

タカ類、ハヤブサ類の渡り

 トビの学名はMilvus migrans(「渡りをするトビ」の意味)です。ヨーロッパのトビはアフリカに渡るのですが,日本のトビは渡りをしません。
 トビ以外は秋に南下の渡りをし,我々は,その姿を見送ったり,大規模な渡りを見に出かけたりします。
 日本や野鳥の会の会誌『野鳥』では,1941(昭和9)年の第1 巻第6 号「特輯 鳥の渡り」で,鳥類研究家の中村幸雄がサシバの渡りについて, 「かくて彼等は逐次本州より四国をへて九州に渡り,大隅半島に集まってここから県下の徳の島まで飛ぶのである。 毎年十月上中旬同島西北端岬の松林には無慮数千のサシバが渡ってきて忽ち松の林は鷹で埋まって終う」と紹介している。

千葉県内のタカ渡り

 千葉県下の渡りについては,初期の『野鳥』誌上で,鳥類研究家で小学校長の斎藤源三郎が千葉市上空を通過するサシバの記録を報告している。 千葉県内のタカ類の渡りを初めて報告したものだ。
 サシバの渡りは,斎藤の記録にあるように,千葉県内の,山野や都市の上空で普通に見られました。 残念ながら,今世紀になってからサシバは個体数を減らし,見る機会が少なくなっていますが,秋の青空を見上げてください。ノスリ,オオタカなどを見ることもあります。

タカが見られる探鳥会

 本会では,9 月27 日(土),富津岬で「タカの渡り観察会」を開催します(本会HPの探鳥会スケージュールを参照下さい)。ぜひ,ご参加ください。
 その他,花見川,西印旛沼,小櫃川,江戸川,三番瀬,房総の村,谷津干潟,手賀沼の探鳥会でも,渡り途中のタカ類,ハヤブサ類を見られるかもしれません。
 ご参加くださるよう,ご案内します。